命の響き 左手のピアニスト、生きる勇気をくれる23の言葉
2015年11月08日
舘野 泉 著/集英社
~倦まずたゆまず、生涯現役~
コンサート中に舞台で倒れ、右半身に麻痺が残ったピアニスト舘野泉さん。医師からは演奏家としての復帰は不可能とされますが、左手での復帰という強い決意と懸命なリハビリによって、およそ2年後に復帰を果たします。この奇跡の復活により「左手のピアニスト」としての舘野泉さんをご存知のかたも多いでしょう。
本書には、舞台で倒れてから、ピアノが弾けなかった2年間を経て再び演奏家として舞台に立ち、現在にいたるまでのことが、舘野さんの飾らない大らかな言葉で語られています。復帰への原動力となった音楽に対する餓え、片腕で演奏することの可能性、支えてくれる家族や仲間のことなど......困難に立ち向かいながら、たゆまぬ歩みを続けてきた舘野さんの言葉はとても心に響きます。
(島根日日新聞10月26日掲載)