稲と日本人
2016年02月13日
甲斐信枝 さく/福音館書店
~稲と歩み続ける日本~
稲から作られるお米は日本の食卓に欠かせない食べ物です。水田で作る水稲(すいとう)は、今から二千数百年もの昔から日本で作られています。現代の日本では稲の不作による飢饉は起こりませんが、江戸時代では繰返し大きな飢饉がありました。稲が育たなければ餓死するため、人々は強い忍耐力を持って知恵と工夫をしてきました。今の私たちが美味しいお米を食べることができるのは、先人達の努力のおかげなのです。
本書では稲の祖先の話から始まり、そして稲と日本人が互いの生死をともにした苦難の道のりを分かりやすく知ることができます。作者の甲斐信枝さんは、本書を作るために十数年かけて絵と文章を書きあげました。丁寧に作りこまれた本を、子どもと読んでみてはどうでしょうか。
(島根日日新聞2月8日掲載)