旅する根付 高円宮妃現代根付コレクション
2016年03月12日
高円宮妃久子 写真・文/講談社
~珠玉の根付作品への誘い~
根付はポケットのなかった和服を着ていた江戸時代、印籠や巾着、煙草入れなどを、帯から提げるための滑り止めとして作られ普及しました。この日本独自の小さな細密彫刻は、美術工芸品として海外でも大変な人気があります。
本書には、高円宮妃久子様の141点の根付コレクションが収められています。
久子様は、収集された根付を、旅先や御所の四季折々の風景の中に置き、ご自身で撮影されました。そして限られた寸法の中で、人物や動植物、空想上の生き物、古今東西の物語の一コマ、自然の産物など、機知に富みユーモアたっぷりに表現した日本人の感性と見事な技術が、活き活きとした写真と文(英訳付き)で紹介されています。
根付の、どこか懐しく新しい魅力に触れる一冊です。
(島根日日新聞2月29日掲載)