高橋博之 著／CCCメディアハウス

　～人の絆が流通を変える～

　この本の著者は、草の根ボランティア選挙で２期連続トップ当選を取った元岩手県議会議員です。選挙運動のときに、自ら２５０キロ近く歩き、そこで農漁村などの一次産業で働く人々と深く関わるようになったことがきっかけで、知事選落選後に事業家へ転身した方です。
　本書では"世なおしは、食なおし"のコンセプトのもと、史上初の食べ物付き情報誌『東北食べる通信』を発行したいきさつと活動が紹介されています。
　農産物や魚貝類とともに、生産者の暮らしや食べ物の育成といった裏側を紹介することで「食べる人」（消費者）と「作る人」（生産者）が直接、結びついていく様子が描かれており、現在の流通制度に一石を投じる内容となっています。

（島根日日新聞3月7日掲載）