明治の津和野人たち(郷土)

2019年01月18日

所蔵情報

山岡 浩二/堀之内出版

 ~激動の時代を乗り切るために~

 江戸時代も終わりに近い天保10年(1839)、14歳の若者・玆監(これみ)が津和野藩主になりました。玆監は藩政改革に取り組み、特に人材育成と教育改革、情報収集に力を入れました。
 人材育成では、身分にかかわらず優秀な人材を国内留学させ、最新の学問と技術を学ばせました。また、長州藩が幕府と対立すると、長州藩の隣に位置する津和野藩は積極的に藩士を各地に派遣して情報収集したり、全藩士から意見を聴取したりします。そして、中立の立場をとる方針に決定します。幕府と長州藩の板挟みになりながらも、優秀な人材を育てた津和野藩は難局を乗り越えて、明治を迎えました。
 このような激動の時代を生き延びた、津和野藩の歴史とゆかりの人物をわかりやすく紹介した一冊です。

(島根日日新聞 2018年12月9日掲載)