鳥取が好きだ。水丸の鳥取民芸案内(一般)
2019年01月18日
安西 水丸/河出書房新社
~「用の美」という選択~
「お土産の店の奥でひっそり売られている」「昔、祖父母の家に行くとガラス棚にたくさん並べてあった」誰もがどこかで見た記憶がある民芸品。人々の暮らしに寄り添ってきたそれらは地域によって様々に異なり、その土地ならではの文化として今も息づいています。
この本は、イラストレーターやエッセイストとして活躍され2014年に亡くなった安西水丸さんが、島根県のお隣、鳥取県の民芸品について紹介した未発表のエッセイ集です。ものと情報が溢れ、たくさんの選択肢がある現代で、安西さんの巧みなエッセイから「用の美」という言葉を改めて考えさせられます。民芸品について詳しくない方も気軽に手にとれる1冊です。
(島根日日新聞2018年12月31日掲載)