フォッサマグナ

2019年03月01日

所蔵情報

藤岡 換太郎/講談社

 ~日本を形作った大きな溝~

 ナウマン象を発見したエドムント・ナウマン。彼はお雇い外国人として明治8年に来日し、日本の地質学の基礎を築きました。フォッサマグナも彼による発見です。
 フォッサマグナとは、新潟から静岡にかけて本州中央部を横断している細長い地帯のことです。東日本と西日本、地質は全く異なるそうです。その成り立ちは未だに明らかにされていません。
 著者は先行研究もふまえながら、その謎を推理します。伊豆の衝突、日本海の拡大と列島の回転、北部大地の陥没と南部大地の隆起、地下は6000mより深く地上は日本アルプス3000m以上まで。内容は専門的ですが文章は平易です。百万年単位で日本列島を形成した、ゆっくりかつダイナミックな地球の動きに引き込まれます。

(島根日日新聞2019年2月11日掲載)