お話とともに育つ喜び(子研究)
2019年03月27日
下澤いづみ/風媒社
~12年間の活動の記録~
「ストーリーテリング」という言葉を聞いたことがありますか?まだ「読み聞かせ」ほど広く知られていないのではないでしょうか。子どもと本を結ぶ手段の一つで「耳からの読書」と捉えられていて、語り手のお話を子どもたちが聞いて楽しむストーリーテリングの会は、全国の図書館や小学校や保育園などで開かれています。この本は、三重県や愛知県で約40年間ストーリーテリングに取り組んできた著者が綴った活動の記録、「おはなし通信」全150号を一冊にまとめたもので、巻末には自身が語ってきたお話のリスト190話が掲載されています。震災後のある日のお話会や仲間との勉強会で感じたことや学んだこと、子どもの前で語ってみてわかったことなど、お話に対する誠実な姿勢が伝わってきます。語りの手引書としてもおすすめしたい一冊です。
(島根日日新聞2019年3月18日掲載)