かどのえいこ・文　福原幸男・絵／ポプラ社

　～角野栄子さんの原点～

　「魔女の宅急便」や「おばけのアッチ」などでお馴染みの角野栄子さんのデビュー作をご存知でしょうか。角野さんは24歳のときに移民としてブラジルに渡り、2年間暮らして日本に戻ります。そのときの経験を生かしたデビュー作が約半世紀ぶりに復刻されました。
　日本から船で約60日かけてブラジルへ。ジャングルが広がっていると思っていたのに、着いた場所は高い建物が多い大きな都市でした。新しい生活で言葉や買い物の仕方などを教えてくれたのがサンバを踊るのが上手なルイジンニョ少年、えいこさんのブラジルでの生活はどんなものになるのでしょう。
　日本との違いに驚きながらも人々の明るさや優しさに触れる生活が生き生きと描かれ、活気にあふれた暮らしや文化を感じることができます。

（島根日日新聞2019年６月２４日掲載）