怖いへんないきものの絵(一般)

2019年10月13日

所蔵情報

中野京子・早川いくを/幻冬舎

 ~へんないきものは絵画の中にも~

 『怖い絵』と『へんないきもの』、どちらも多くのファンをもつ二大ベストセラーの作家がコラボしました。生き物が登場する絵画を生物学と芸術の二つの視点で解説していきます。
 絵画の生き物は当時抱かれていたイメージや絵画の題材となったお話に強く影響を受けています。例えば、狼は西洋では「悪役」の象徴であり、ドレの「赤ずきんちゃん」でも不気味に描かれています。しかし生物学の視点から見るとその生き方はイメージとは異なります。では何故、狼は「悪」の象徴として捉えられるようになったのでしょうか。理由は本書の中で明かされますが、絵画も生き物も立場を変えると様々な見方が生まれることに気づかされました。芸術鑑賞の新たな楽しさを教えてくれる作品です。

(島根日日新聞2019年7月1日掲載)