牙-アフリカゾウの「密猟組織」を追って(一般)
2020年07月03日
三浦英之/小学館
~アフリカゾウを殺すのは誰!?~
本書には、ケニア共和国ツァボ国立公園で、独特の牙を持ったことで人気のあったアフリカゾウのサタオの写真2枚が掲載されている。それは、元気なときの写真と、顔面がえぐり取られて殺された無残な姿となった死骸の写真である。
サタオをはじめとするアフリカゾウが殺される理由、それは「象牙」のためである。
いま、1日100頭前後、1年では3万頭ものアフリカゾウが密漁により殺されており、そのためアフリカ象は絶滅の危機に瀕し、10数年のうちには消えてしまうと言われている。
ゾウが殺されるアフリカの現状、そしてその背景、また私たち日本人にもつながる問題について本書に詳しく記載されているので、是非ご一読いただきたい。
(島根日日新聞2019年11月18日掲載)