貸出禁止の本をすくえ!(児童)
2020年07月03日
アラン・グラッツ:著 ないとうふみこ:訳/ほるぷ出版
~好きな本が自由に読める幸せを~
主人公は読書が大好きな九歳の女の子エイミー・アン。両親は共働きで、やんちゃ盛りの妹二人に室内犬が二匹いる家では我慢を強いられてばかりなので、いつも学校の図書室でゆっくり本を読んでから帰ることにしていました。
その日常が突然失われます。図書室にある大好きな本や面白い本が、一部の保護者の意見だけで次々と貸出禁止にされていくのです。彼女は親友たちと協力し、禁止された本を密かに貸し出しますが、先生にばれてしまい、ついには根本的な解決に向け、生徒たちと力を合わせ行動します。
普段は自分の意見を言わない、おとなしいエイミー・アンですが、言いたいことは胸にぎっしり詰まっています。彼女の心の声と発言した内容とのくい違いも、この物語の読みどころです。
(島根日日新聞2020年1月27日掲載)