クレンショーがあらわれて(児童)
2020年07月03日
キャサリン・アップルゲイト:作 こだまともこ:訳 まめふく:画/フレーベル館
~想像の友だちがいることは幸せ~
今回紹介するお話は、小学5年生のジャクソンがみんなには見えないネコのクレンショーに支えられながら貧困という不安を乗り越えるために頑張るお話です。
クレンショーが現れるときは「良くないことが起こる前触れ」と知っているジャクソンはクレンショーが現れたことにショックを受けます。貧困という現実を受け入れようと気丈に振る舞う反面、これから起こることが怖くて仕方がないジャクソンの心がクレンショーを呼んだのです。
呼べばすぐに現れて、必要なだけいてくれるクレンショーとジャクソンとのやり取りや、クレンショーのちょっとひねくれた性格がコミカルに描かれ、前向きに貧困に向き合う家族の姿が明るく書かれています。
(島根日日新聞2020年5月18日掲載)