エンペラー・ファイル 天皇三代の情報戦争(一般)
2020年10月09日
徳本栄一郎/文藝春秋
~天皇とインテリジェンス~
著者はある日、バーナード・クリッシャーというジャーナリストと出会います。彼は昭和50年に初めて昭和天皇に単独インタビューを行った人物でした。著者はクリッシャーから、長年昭和天皇の通訳を務めた真崎秀樹氏のインタビューを吹き込んだ録音テープを譲り受けます。そのテープから、昭和天皇が独自の情報ネットワークを持ち、積極的に国際情勢などの情報を収集していたことが明らかになります。
そこで著者が各国の公文書を丹念に調べると、そこには様々な人が関わっていたことがわかりました。そして昭和天皇に引き付けられるように集まる人々や情報、収集した情報を的確に分析していた天皇の姿が浮かび上がってきます。知られざる歴史の内幕を見ることができる一冊です。
(島根日日新聞2020年9月13日掲載)