この本を書いたのは誰だ? 統計で探る"文章の指紋"(一般)

2020年10月09日

所蔵情報

村上征勝/勉誠出版

 ~データで見る文章の「癖」~

文章を読んでいて、「あの人らしいな......」と感じることはありませんか。その「らしさ」はいったいどこからきているのでしょうか。それを、数値として表す研究があります。
この本の著者は統計学の研究者であり、統計的な観点から文章の特徴を把握する研究をしています。実際の事件の脅迫文や、『源氏物語』などの古典などを例に、調査方法を紹介しています。どのような部分に着目し、どういった資料と比較するのかなどの解説は興味深いものがあります。また、文章はその内容など他の部分にも影響されやすいため、慎重な比較が必要であり、様々な方法が開発されています。
この研究は、文章がデータ化されることで可能になったまだ新しい分野だそうで、今後の研究の発展が楽しみです。

(島根日日新聞2020年9月21日掲載)