奇想の国の麗人たち 絵で見る日本のあやしい話(一般)

2020年10月13日

所蔵情報

中村 圭子/河出書房新社

 ~語り継がれた文学の幻想に満ちた世界~

 日本に伝わる伝説や古典文学の挿絵、場面をイメージした絵画には、生霊、怨霊、異界のものなどで恐怖や幻想的な世界を表現しているものが多くあります。
本書では、中世の絵巻や江戸時代の浮世絵、明治から昭和初期の雑誌の挿絵、さらに現代の画家が新たな感性で描いた作品など、物語とそれにまつわる絵画を紹介します。
 『源氏物語』『平家物語』などでは、恐ろしくも哀しい霊魂の絵を歌川広重や月岡芳年などの絵師たちが描いています。また、『安珍清姫伝説』の蛇に変身した女の絵は、平安時代の巻物と加藤美紀ら現代の画家の作品を比べ、表現の違いを楽しめます。それぞれの時代の画家たちが描いた絵から伝承文学の世界観に触れてみませんか。

(島根日日新聞2020年10月13日掲載)