佐々木 真紀／文芸社

　～それぞれのペースで生きていく～

　ダウン症の息子さんを持つ著者による、妊娠出産から現在までの闘病記です。
息子さんの名前は「希（まれ）」といいます。タイトルの「マレタイム」とは、希くんのペースでゆっくりやっていけばいいとお義母さんに言われた、「マレタイムでいこう」という言葉からきています。
　妊娠中に希くんの心臓に病気のあることがわかります。そして出産後、ダウン症かもしれないということで検査を受けることになりました。検査や手術による入院生活が続き、次から次にやってくる困難の波に飲み込まれそうだった時、この言葉に著者は救われたそうです。
　自分を助けてくれた家族や仲間への感謝の気持ち、そして何より希くんへの愛情が溢れる1冊です。

（島根日日新聞2020年11月2日掲載）