まんが訳酒呑童子絵巻(一般)
2020年11月19日
大塚 英志:監修 山本 忠宏:編/筑摩書房
~絵巻をまんがで楽しむ~
平安時代、貴族の娘が次々と鬼にさらわれる事件が起き、武家の源頼光らが退治するという酒呑童子物語は、物語や絵巻で読み継がれてきました。
絵巻は、美術館や博物館の展示で「見る」ことはできますが、「読む」(ストーリーを読み取る)ことは今の私たちには難しいようです。
本書は『酒天童子繪巻』をまんがの手法で再表現するとどうなるか、を実験したものです。制作チームは物語に合わせて、台詞・語りとコマ割を適切にほどこすという作業をしました。
結果、絵巻はまんがスタイルでよみがえりました。ストーリーがわかります。絵が迫ってきます。当時の人々の世界観も伝わってきます。いつの間にか絵巻を昔の日本人と同じように楽しんでいました。
(島根日日新聞2020年11月16日掲載)