だから、もう眠らせてほしい(一般)
2020年12月04日
西 智弘/晶文社
~患者に寄り添う医療~
人は、余命が長くはないとわかった時に何を思うのでしょうか。
明日について、死について、家族について・・・。不安と迷い、戸惑いとで混乱してしまうのではないでしょうか。
本書は、終末期医療の緩和ケアに携わる医師が、病と闘う患者たちに寄り添った実話です。大事な人生の最期に関りを深めていく著者や医療関係者の姿が描かれています。治療には投薬などだけではなく、心の安らぎもあること、尊厳死、安楽死の問題についても触れています。
患者の死を通して、読む側も自分の人生をいかに生きるか、そして死んでいくかを考えさせる一冊です。
(島根日日新聞2020年11月23日掲載)