平安男子の元気な!生活(ジュニア)

2021年05月19日

所蔵情報

川村裕子/岩波書店

 ~マイカーならぬ牛車で出勤~

 今から千年前、平安時代の貴族男子の暮らしと言えば優雅でまったりとしたイメージがあると思いますが、実は現代のビジネスパーソンと同じように忙しい毎日をおくっていたようです。平安中期に活躍した藤原行成の日記『権記』を見ると、【重い束帯を着て会議に出席、中納言や右大臣たちと会い、そのあと藤原道長の所に行ったが外出中だったので親王と東宮の所に伺ってから帰宅した】とあり、超多忙な日常が読み取れます。
 本書は、仕事はもちろん恋愛・趣味などに対する平安男子の考え方や生活スタイルが紹介されていますが、現代風に表現されているので当時の様子がイメージしやすくなっています。身分の壁や忙しいお勤めにもめげず、自己実現に向けて頑張っていた平安男子にきっと共感できるはず!

(島根日日新聞2021年5月10日掲載)