関係人口の社会学 人口減少時代の地域再生(郷土)

2021年07月08日

所蔵情報

田中 輝美/大阪大学出版会

 ~人口が減っても幸せな地域~

 著者は、島根を主たる地盤として活躍するローカルジャーナリストです。これまでも、隠岐島前高校やローカル鉄道、地方で活躍する「よそ者」等を丹念に追い、地域の実情と未来を描いてきました。本書は、「関係人口」というキーワードが、期待とともに混乱をも生み出す現状にある中で、「関係人口の厳密な定義」と、「関係人口が地域再生に果たす役割」について、社会学の手法で迫っています。第1部で関係人口の定義を探り、第3部で地域再生のあり方を示す研究書は、少し取っつきにくいかもしれません。まずは、第2部、海士町や江津市、香川県まんのう町の事例から読んでみませんか?あなたのそばにいる誰かとともに、地域のことを考え始めるきっかけになるかもしれません。

(島根日日新聞2021年6月13日掲載)