かえるのごほうび 絵巻「鳥獣人物戯画」より(子ども)

2021年08月12日

所蔵情報

木島 始:作 梶山 俊夫:レイアウト/福音館書店

 ~国宝に触れながら楽しむ~

 今からおよそ900年前、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけてつくられた国宝『鳥獣戯画』。日本四大絵巻の一つに名をつらね、別名『鳥獣人物戯画』とも呼ばれています。人物や動物、背景などが墨の線で描かれていて、詞書がないのが特徴です。説明文が書かれていないため、何の物語なのか謎に包まれたままですが、人間の顔つきをした動物たちが生き生きと描かれています。
 著者の後書きによると、「これほどすばらしい絵を、子どもたちがいつでもしげしげと見られるところに置けないものか」と考え、この絵本を作ったそうです。そして今の子どもたちにも楽しめるように、絵巻にかくされた物語を組み立てて、言葉を付けています。ぜひ国宝に触れながら子どもたちと一緒にお楽しみください。

(島根日日新聞2021年8月2日掲載)