まち歩きが楽しくなる水路上観察入門(一般)

2021年10月01日

所蔵情報

吉村 生,高山 英男/KADOKAWA

 ~暗渠巡りの楽しみ~

 近年、街に残された様々な痕跡に出会いながら、街の魅力を再発見する「まち歩き」に人気が集まっています。2006年に長崎市で開催された「まち歩き」をきっかけに全国に広まったといわれています。さまざまなテーマで行われていますが、中には、マニアックなものもあります。その一つが、川や水路をふさいだ跡をたどる暗渠(あんきょ)巡りです。高度経済成長期に川の汚濁や公園の確保など、さまざまな要因で多くの川や水路が蓋をされ、暗渠化されていきました。
 本書は、東京を中心に暗渠巡りの楽しみ方を提案してくれます。川もないのに現れる親柱・欄干などの橋の痕跡や妙に細長い公園は、まず間違いなく暗渠のサインだそうです。全国各地の水路上を歩いた著者2人の暗渠愛に満ちた一冊です。

(島根日日新聞2021年8月23日掲載)