言語学バーリ・トゥード(一般)

2021年10月01日

所蔵情報

川添 愛/東京大学出版会

 ~「なんでもあり」の言語学~

 バーリ・トゥードとは、ポルトガル語で「なんでもあり」を意味する言葉で、日本ではもっぱらルールや反則を必要最小限に留めた格闘技ジャンルを指します。本書は言語学に関係する様々な問題を「なんでもあり」の精神で検証したエッセイ集です。
 AIは上島竜兵氏が口にする「絶対に押すなよ」という言葉の意図が「押せ」であることを理解できるのか? ラッシャー木村氏が新日本プロレスのリングで放った第一声「こんばんは」はどうして観客をズッコケさせたのか?
取り上げられるトピックは、難問であると同時に、思わず笑ってしまうような珍問ばかり。著者は言語学の知識とユーモアを総動員にして、果敢に立ち向かっていきます。
 さあ、言語学という闘いのワンダーランドをとくとご覧あれ。

(島根日日新聞2021年9月27日掲載)