ペスト時代を生きたシェイクスピア その作品が現代に問うもの(一般)

2022年04月20日

所蔵情報

川上重人/本の泉社

~描かれた疫病と人間、自然~

 言わずと知れた劇作家・シェイクスピア、彼の生きていた時代はペストの流行によって死の恐怖と隣り合わせでした。そんな中で歴史に残るような劇を書き続けた彼の5つの作品を紹介しながら、ペストという病についてどう捉えていたのか、現代につながるものはあるのかということを探る一冊です。
 実際にシェイクスピアは、劇の中で「ペスト」という言葉を使ってはいません。しかしその内容は、疫病によって死と隣り合わせだった当時の思想や時勢を反映したものとなっています。
 それぞれの作品についてストーリーは勿論、当時の背景・有名な場面についての解説が丁寧にされているため、初めてシェイクスピア作品に触れる方も是非手に取ってみてはいかがでしょうか。

(島根日日新聞2022年1月10日掲載)