栗原祐司／誠文堂新光社

～博物館の見方が変わる一冊～

　私事ですが、博物館に行くのがわりと好きです。旅先で立ち寄ったり、資料を貸出しするご縁で松江歴史館に行ったりする程度なのですが。
　一方、著者の栗原氏は、自称"博物館オタク"。訪れた博物館は国内外合わせて1万館以上、文化庁勤務を経て、現在は京都国立博物館の副館長を務めています。法律や運営などの外枠から、展示室の細かいこだわりまで、知っておくと鑑賞がよりおもしろくなる博物館の知識を凝縮したのが、この本です。
　日本には約５７００の多様な博物館があります。各館が資料の収集・保管、それらの研究と成果の普及という、基本的な役割をこなすだけでなく、現代社会をとりまく、様々な問題に、積極的に関わっていこうと、進化し続けています。

（島根日日新聞2022年2月7日掲載）