虚構の森(一般)

2022年06月03日

所蔵情報

田中淳夫/新泉社

~環境問題の常識を覆す~

 SDGsが流行っています。私たちの身の回りでも気温の上昇や集中豪雨、洪水などが頻繁に起きており、環境問題の大切さを意識せざるを得ません。地球の温暖化は、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加が原因であると専門家から指摘されています。では、二酸化炭素を吸収してくれる森林を守り、伐採を止めればよいのでしょうか。
 本書は、森林ジャーナリストの著者が、森林をテーマに、こうした環境問題における常識に対し、例えば、アマゾンのような成熟した熱帯雨林は、成長途中の森林と違い、酸素の供給源になっていないこと、地球上の森林面積は減少していないことなど、最新の論文や研究を基に疑問を投げかけています。森林に関わる環境問題について新たな見方を提示してくれる一冊です。

(島根日日新聞2022年5月16日掲載)