八馬智／学芸出版社

～自分で見つける絶景～

　「絶景」というと、多くの人は「日常では見られない美しい風景」を想像するだろう。
しかし、本書で紹介する絶景は「日常の中で目にする風景」を取り上げている。
　例えば、建物に取り付けられているエアコンの室外機や立体駐車場、通信鉄塔といった都市の内外に存在する物体である。
　これらは一見すると平凡な風景であり、必ずしも全ての人が絶景と感じるわけではない。しかしながら、筆者が述べているように、自分の見方をわずかに変えるとそれまで見えなかった美しい姿が現れるのである。自分なりの風景として、自分がそれを絶景と感じられればそれで良いのだ。
　日常の風景を絶景として見るコツを本書から学び、是非、自分なりの日常の絶景を見つけていただきたい

（島根日日新聞2022年5月23日掲載）