アレッサンドロ・マルツォ・マーニョ／柏書房

～「本」の歴史に革命を～

「本」が世界に誕生した時期は諸説ありますが、いま図書館や書店に並んでいる、「目次があり、ページ番号がつけられ、持ち運びやすいサイズの本」は、15世紀頃のヴェネツィアで「アルド・マヌーツィオ」という一人の出版人によって生み出されました。勉強や仕事のためではない「娯楽として読書」を流行させたのも彼の功績です。欧米では活版印刷を発明したヨハネス・グーテンベルクと同様に著明なアルドですが、その生涯は謎に包まれたままの部分が多々あります。それでもアルドが書籍と読書の歴史に大革命を起こし、私たちに読書の楽しみを贈ってくれたことは確かです。本書を通してアルド・マヌーツィオが歩んだ出版人としての生涯と書籍誕生の歴史に触れてみませんか。

（島根日日新聞2022年10月17日掲載）