バスドライバーのろのろ日記(一般)
2024年05月20日
須畑寅夫/三五館シンシャ
~規則と人情の狭間~
著者は40代後半で高校教師からバスドライバーに転職。就いてよかったと思える出来事も、悔しくて眠れないほどの体験もしました。
運賃を払わない乗客に注意して「運転手の分際で生意気だ」と言われたり、受験の日、バス停に向かって走ってくる高校生を出発を遅らせて待ち、お礼を言われたこと等、数々のエピソードを描きます。
バスドライバーの実態や営業所の人間模様も知ることができ、運転士不足の原因の一端も見えてくるかもしれません。
子どもの頃の憧れを捨てきれず、この職業に就いた著者ですが、59歳で退職、今は警備員としてショッピングセンターに勤務しています。「どんな仕事でも、社会に役立っていると感じられるのは幸せなことだ。」と結んでいます。
(島根日日新聞2024年5月20日掲載)