モヤ対談(一般)
2024年05月27日
花田菜々子/小学館
~モヤモヤしていいのだ~
書店員である著者は、「世の中で当たり前とされていることを疑い続け、何かをひっくり返して社会を今よりいいものにしようとしている人」が書いた本が好きだといいます。本書は、そんな書店員が気になった本の著者たちと語りつくした対談集です。恋愛、家族、人権、推し活、加齢、ジェンダー、個人店、食、言葉などをテーマに20編の対談が収録されています。これらのテーマに関するモヤモヤについて語るわけですが、モヤモヤに圧されて安易に結論を出すよりは、自分の中に抱えたままにしたり、助けを求めたり、逃げたりしてもよい、とそれぞれの対話から教えられます。
本を読んだり人と話したりすることで「ままならなさに耐える知的体力」をつける。そんな意欲を刺激される本です。
(島根日日新聞2024年5月27日掲載)