無菌病棟より愛をこめて(一般)

2025年10月28日

所蔵情報

加納朋子 著 文藝春秋 2012年 分類:916(日本文学-闘病記)

~まさに今、不安な日々を過ごしている人へ~

小説家として活躍していた著者が、夫から咳風邪をうつされて病院へ。精密検査を経て、最終的に「急性白血病、それも症例の少ないケース」という診断を受けました。

完治が難しい病気であることの不安や恐怖、終わりの見えない治療の辛さを抱えつつ、前向き思考を捻り出したり、治療法・副作用について予習したり、著者の勤勉さと気遣いが文章に溢れており、重苦しくならない読み心地です。一方、悪意はなくても傷ついた言葉や、心が弱った際の記録には共感します。辛い時でも周りへの感謝を忘れず、病と闘う仲間を思いやれる、そんな心の強さも感じる一冊です。